誰かとゲームをするのが好きだった。
夏は涼しい部屋で、冬は暖かい部屋で、それこそ1日中ゲームをしていた。
時間を持て余していた幼少期の娯楽がゲームだった。
お金を稼いで生きていかなければいけないのなら、昔好きだったゲーム業界で働こうと決めた。
シナリオは書いたことがない。小学生の落書きのようなイラストしか描けない。
それでもどうしてもゲーム業界で働きたかったから、プログラミングという分野に興味を持った。
金融会社で社員として働き、自分が貯めたお金でITの専門学校に通った。
元々パソコンに強かったわけではなくて、iOSやAndroidの違いもわからなくて、Wi-Fiの繋ぎ方もわからなかった。
右も左もわからない状態から、寝る間も惜しんで深夜まで勉強した。
そんな甲斐もあって人気のゲーム会社で内定をもらい、プログラマーという職種で働いた。
ゴールデンタイムにCMが流れていて、スタッフロールに私の名前が載ったときは身震いするほど嬉しかった。
好きなことを仕事にしたはずなのに、いつしか心のネジがかみ合わないようにストレスが溜まり寝られなくなった。
思い描いていた未来と現実は程違くて、体調不調を理由に退職をした。
表向きは体調不良だか、それを引き起こす原因は色々あって、その本質までは言わなかった。
今回は私が人気ゲーム会社を退職した理由を嘘偽りなく話そうと思う。
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人気ゲーム会社を退職した嘘偽りのない理由
同僚・先輩の欠勤態度が悪い
出典 putiya.com
小指を角にぶつけて痛いから。
知らない人に道を教えていたから。
会社の60%以上の人が毎月遅刻や欠席をする、勤務態度が悪い会社だった。
どんな仕事もお金を頂いている以上は、生半可な気持ちで働いてはいけないと思う。
仕事を遅刻したらクビになっても仕方ないくらいの心意気で仕事をしている私にとって、
彼らや彼女らの欠勤態度はどうしても許せなかった。
吐血をしても、一睡もしてなくても出社する私をよそに、
悪びれもなくどうでもいい理由で始業時間に遅れて出社する先輩たち。
後輩という立場のため、こちらからは何も言わなかったが、真面目に出社する自分がバカみたいに思えた。
自分を押し殺して作り笑いで笑顔で仕事をしても、心のモヤモヤは募り、会社に不信感を覚えた。
福利厚生に納得できない
出典 www.sakouju.jp
うちの会社は違法なみなし残業だった。
違法なみなし残業についてはこちらにまとめてあるのでぜひ見て欲しい。
一定の残業時間を含めた金額が基本給に含まれており、どれほど残業をしても給与は変わらなかった。
超勤手当も、早朝手当も、深夜手当も、休日手当も何もない。
労働基準監督署に通報しても良かったのだが、会社と争うのは嫌だった。
縁があって入社したのに、会社と全面戦争をして居心地が悪くなるのはもっと嫌だった。
遠くない未来で福利厚生が充実する可能性もあるが、それは10年後かも知れない。
不確定要素が多すぎて、なぜ自分が我慢する側にならなければいけないのかがわからなかった。
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仕事に対するフィードバックがない
出典 frame-illust.com
仕事を評価されるのは誰だって嬉しい。
仕事を納品して終わりじゃなくて、その過程をきちんとフィードバックして欲しかった。
プログラマーという技術職のため、独り孤独に作業をすることが多いのに、フィードバックは何もなかった。
1日中誰とも喋らず、与えられた仕事のみをこなしていく。
空気みたいなどんよりとした生活が毎日続いた。
最低でも1年に1回以上は上司と面とむかって、何かしらの形でフィードバックをするべきだと思う。
会社に在職して2年目に差し掛かるのに、言葉では何も評価しない上司。
仕事を退職してから発覚したが、上司はどうやら私の仕事の取組みを誰よりも評価していたらしい。
言葉で伝えなければわからないことだってある。
こっちだってヒトなのだ。何も評価されないと、自分に落ち度があるのかと考えを巡らせてしまう。
部下にも部下の悩みがあるので、こちら側にも配慮をするべきだと思う。
女性に対するケアが足りない
出典 2.bp.blogspot.com
女性でゲームプログラマーになる人はほぼいない。
ITの専門学校ではクラス40人中女子は1人だった。
会社の技術職の部門でもそれは例外なく当てはまって、女性は私しかいなかった。
同じ部署の男性はこちら側に全く気を遣わないで、男性は男性同士仲良くつるんでいる。
今日の服もこもこだね~。
最近調子はどう?
そのような他愛もない会話も存在しなく、部下である私が気を遣わないと会話が生まれない。
おしゃべり好きな私にとって、そっけない対応にやるせない気持ちになった。
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健康診断の血液検査が嫌だ
出典 woman-illust.com
日頃のストレスが溜まっていた私にとって、問題はいつ会社を辞めるかだった。
元々注射が苦手で、病気を発見できなくても注射だけはしたくないと思っていた。
だからこそ、健康診断を受ける直前に会社を退職した。
どうせ辞めるなら、したくないことをムリにする必要はないと思っている。
逃げるは恥だか役に立つ。
嫌なものからとことん逃げて、楽しく生きたい。それにつきる。
納期に追われるストレスにより不眠症
出典 4.bp.blogspot.com
会社を退職する際に体調不良を理由に退職にした。
実際に納期に追われ不眠症になり、心療内科でうつ病と診断された。
日頃の会社での小さなストレスが心に積み重なって、
そこに納期の厳しさも加わって、ついに限界を迎えた。
1日でこの仕様を実現させろと平気な顔で無理難題を押し付けてくる上司。
それができないなら社会人失格とても言いたげな威圧感で発した、重みのある言葉で私にトドメを刺した。
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退職時には本音を隠すしたたかさも必要
人のせいにするのはあまり好きではない。
会社を退職するときもその考えは変わらなくて、自分のせいにして会社を退職した。
「私の体調が悪いから、もう辞めさせて下さい」
体調が悪化した原因に会社も加担しているが、そこはあえて触れなかった。
会社がどういう対応を取っても、仕事を辞めるという覚悟は変わらなかったから。
どうせ辞めるのなら、お互い嫌な気持ちを引きずらないようにしたかった。
念願だったゲーム会社を退職してしまったので、しばらくはフリーランスとして生きていく。
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