私は、性同一性障害です。
男性として生まれながら、性転換して女性になりました。
未成年のときに。
心と体の性別が一致しないトランスジェンダー。
当事者の私が、LGBTの生きづらさ想いを込めて語りつくします。
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いつから性同一性障害と気づいたのか
「他の人と違うんだ」
私がそう確信をしたのは、10歳くらいのとき。
初恋の相手は、クラスの男子。
毛深くなる自分が絶望的に嫌いで、自分の性に違和感がありました。
華奢だった当時。
同級生の女子に「かわいい~」と言われるのが、何より嬉しかったです。
逆に「イケメン~」と言われると、反応に困りました。
顔が整っているという点では嬉しい。
ただ、自分の性を自覚するので複雑な感じです。
トランスジェンダーの苦しみは絶望的
第一次成長を迎えた頃。
テレビで『性同一性障害』という言葉が広まりつつありました。
私は直感的に「コレだ!」と確信。
ネットで色々調べて、とてつもなく絶望したことを覚えています。
私が私であるために。
本来の自分に戻るためには、莫大な費用がかかること。
性転換手術をするために。
2週間に1回、女性ホルモンを筋肉に打つ必要があること。
当時は、すべて保険適用外。
ホルモン療法&性転換の費用、全て自腹です。
手術をすれば、戸籍は変えられますよ。
ただ、可能な限り女性の体に近づけることしかできません。
言ってしまえば、完治なんてありえない。
この先、私がどんなに頑張っても。
「元男性」というレッテルは永遠に消えません。
他人から見れば、全てが作り物。
本物に見える、ただの偽物でしかなくて。
その現実と、一生向き合っていく覚悟なんてなかった。
まだ小学性なのに。
これほど未来に絶望したことはなかったと思います。
両親や先生にも相談できないから、ずっと自分でも悩んでいました。
正直なところ、もう生きたくなかった。
今すぐにでも死にたい。
それくらい、私は未来に希望を感じませんでした。
手術費用はどうするの?
女性として社会で働けるの?
親はそんな自分を応援してくれるの?
この時、味わった挫折。
その苦しみを、永遠に私は忘れることができません。
ガンにより胸を全摘出する人も辛いと思います。
ただ、私には最初から何もない。
頑張って手術をしても。
その決意を踏みにじるように、そのことを誰かにバカにされるかもしれない。
何度も言いますが、まだ小学生。
あまりにも酷な現実でした。
将来の夢を考える余裕もなくて。
「何になりたい」と悩むこともありません。
期待に胸を膨らませることすら、私には許されない。
自分が何者なのか。
ずっと自問自答を繰り返すような、辛い日々でした。
思春期って、コンプレックスで色々と悩むと思います。
私の場合は、生まれた性別ですからね。
どーすることもできません。
結局、自分の全てが嫌いになるんですよ。
それくらい、性の悩みはデリケート。
生まれながらのうつ病ですよ。
トランスジェンダーで悩む人が、心に闇を抱える理由。
私には、本当によく分かります。
一生治ることがなくて。
誰にも相談できなくて。
頑張って手術をしても、いわゆるレプリカ。
どこまでも続く平行線のように、完治はありえない。
少数派だから、理解されないことも多いのに。
一生をかけて向き合っていく。
LGBTの中でも、特にトランスジェンダー。
性同一性障害の人の苦しみは、想像以上ですよ。
私だって、本当は手術なんてしたくない。
お金もかかるし、何より絶対に痛い。
でも、それ以上に自分の体がキライだったから。
少しでも心の平穏を取り戻すため、性転換手術をしようと決めます。
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親でも難しい!性同一性障害の理解
幸いなことに、私の母親は応援してくれました。
ただ中には、理解できずに反対する人もいますよね。
手術費用を自分で負担するにも関わらず。
もしこれが、ガンの治療なら……。
迷わず応援しますよね。
「辛いよね、苦しいよね」って、寄り添って励ましてくれるのに。
宗教によっては、性転換手術なんて超タブー。
「神が与えてくれた性別を変えるな」的な信者、今でも一定数いると思います。
ねえ、教えてください。
ガンの治療はOKなのに、なぜ性転換手術は誰も応援しようとしないのか。
確かに性同一性障害は、死ぬような病気じゃないよ。
でも、心が死にそうになるくらい辛いです。
生きていて、「性」を意識しないことある?
そんなことありえないですよね。
当事者が一番苦しいんだよ。
必死で決めた決意なのに、それを否定して。
認めないのなら、それは「死んで!」ってことなの?
誰よりも葛藤して。
苦しんでいるLGBTの人が親にも否定されたら、もう悲しすぎるよ。
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生きづらさを感じているLGBTの方へ
セクシャルマイノリティの人達は、差別されることも多いけれど。
その度に、一喜一憂するけれど。
恥ずかしい過去なんて、一つもないから。
今、この瞬間。
悩みながらも、自分の性ときちんと向き合って。
生きようとする姿はカッコイイから。
だから、頑張って今を生きてください。
私の言葉は、頼りないかもしれないけど。
せめて強がりでもいいから、笑って生きて欲しいと切に願います。
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